marty piano school

ピアノを学ぶ

 

ピアノを弾くということ…

 

 楽器を弾くということは、楽譜を読み、その音符の音色や響きを頭の中で想像し、左右の手と指をそれぞれ動かして音を出し、その出てきた音を聴くことを繰り返していく複雑な活動です。

音符や記号を読み判断し、手と指を動かすことは主に左脳を刺激し、一方で、音を聴くことで想像力や感情を沸き立たせることは、主に右脳を刺激します。また暗譜で演奏することで、記憶力や集中力を高める効果もあります。

このようにピアノを弾くことは、リズム感、和声感、テンポ感などの音感を養っていけるだけでなく、右脳と左脳をバランスよく使い、総合的に人間の脳の活動を活性化するといわれています。

 弾けると思っていなかった憧れの曲が弾けるようになったり、それらの曲を暗譜で演奏するためには、ある程度の期間毎日練習していくことが必要になります。したがってピアノ学習者の皆さんは、1つのことに継続的に取り組む忍耐力や集中力、演奏を向上させるための探求力や創造力、取り組みが成功した時に得られる達成感などを得ることにもつながります。

 

 

こどもの頃からの

ピアノ学習

 

言語習得と同じように、音の高さや音色を聞き分ける耳の能力(音感)は幼少期に向上しやすいと言われます。

ピアノを演奏するために必要な耳、体、頭の使い方と、指を思いのままに動かす技術を時間をかけて学んでいくので、頭と体が柔軟に対応できる幼少期にピアノを始めると進歩が早く、幼い時に身に付けた能力は忘れにくいといいます。

また、目標を定め達成に向けて、集中して毎日続けていく根気強さが身に付けられることも利点の1つです。その力はピアノ以外にも大きく役立ち、勉強やスポーツに力を入れたいと思ったときにも発揮され、その後の人生を豊かにするでしょう。

ピアノは3歳頃から習わせると良いと言われますが、こどもたちが幼少期からピアノを習うにあたって大切なことは、本人自身が音楽を楽しみ、ピアノに触れることが好きだと思えることです。そのためには、それぞれのこどもに合った小さな目標をその都度設定して、一つ一つ達成していくことの楽しさをこども自身が味わえる環境が必要です。家庭で練習して、その日の目標が達成した時に、こどもたちがその喜びを家族の方々や先生と分かち合えると、楽しさは倍増し、次の目標にも意欲的にチャレンジしていくようになるでしょう。

ピアノを習うと必ず使うピアノ教本の中には、手をほぐして指を独立して動かせるようになることを目的とした『指の体操』と、基礎的な演奏技術やリズム感、和声感を身に付けることを目的とする『練習曲』があります。

ピアノの演奏技術を上達させるためにこれらの教本をできるだけ早いうちに学んでいくことことは必須ですが、こどもたちが好き好んで練習するとは言い難い教本もあります。それは子供にとって、メロディーが単調であったり、指が思うように動かなかったり、手が疲れてしまったり、何のために練習しなければいけないのか分からない...ということが理由です。

そんな時も、小さな目標を定めて達成し、その頑張りを誰かに認めてもらうことで、こどもたちのモチベーションを保つことができるでしょう。こどものピアノ学習には、音楽教室だけでなく家庭でのサポートがとても大切です。

 

 

大人になってからの

ピアノ学習

 

 音楽の習い事は幼少期からと言われますが、大人になってからピアノを始められる方々も多く、それぞれ成果が現れています。

左右それぞれの指を動かす、もしくは動かそうとする行動は脳に刺激を与えて機能を向上させるので、脳の老化防止効果があります。

弾けるかどうかわからないけれど弾いてみたい、と思う曲があればぜひその曲にも挑戦してみましょう。思うように進まないこともあるかもしれませんが、1日1小節ずつでも進めていくことで毎日の成果を実感する日がきっと来ます。その積み重ねの中で、達成感や幸福感、次の目標への意欲が沸き、この体験は人々を心身ともに健康にします。

ところで、大人になると子どものように耳が良くないから、音感が得られない…という話を聞きます。

音感の中でも、絶対音感のことは特によく耳にしますが、40歳を超えて絶対音感を身に付けた事例もありますので、大人から学び始めても身につけることは可能です。不可能だと思われていたことが、トレーニングをあきらめなかったことで実現することは素敵なことだと思います。

ちなみに、絶対音感はピアノを弾くために必ずしも必要な能力ではなく、絶対音感を持たない素晴らしい音楽家もたくさんいます。

 

 

 

楽譜を見て、

すらすら

弾けるようになるには…

 

目の前にある初めて見た楽譜をすらすらと弾けたら素敵だと思いませんか?

以前ピアノの生徒さんから、『まず音符を早く読みすらすら弾けるようになるコツを教えてください。』と言われたことがあります。人々の中にはほとんど練習することなく、渡された楽譜をそのまま楽器で演奏できる方々がいます。

ある特別な能力を持つ人々を除いて、そのような方々はある一定の期間、初見試奏(初めて見た楽譜をすぐに演奏する)のためのトレーニングを受けています。そのトレーニング無しに『音符を早く読みすぐ弾ける』ようになるコツはほぼありません。

初見試奏のための近道は、ソルフェージュ能力を鍛えることです。

楽譜を読みすらすら弾くためには、今弾いている小節の常に先の小節を読むことが大切です。つまり、指は今弾いている小節の音符を押さえて耳はその鳴っている音を良く聴いていますが、目と頭はもう既にその先の小節の音を追っているということです。まずは今の小節を弾きながら、目は先へ先へ小節を追っていく練習をします。

弾きながら、これから弾いていく先の小節を目で追えるようになったら、まず読み取りたいのは先の小節のリズム、次に和声です。最後に旋律を読み取ります。これらを瞬時に捉えた後、指を打鍵し音が鳴らされていきます。そして打鍵している頃には、もう既に目と頭はさらに先の小節を追っています。これ繰り返すことで『すらすら弾く』ことができます。

正確に素早く、リズム・和声・旋律を捉えて楽器で表現する能力をソルフェージュ学習の中で育てていきます。

 

 

個性を養う

 

ピアノから奏でられる音の色は人それぞれに違います。同じ楽譜から同じ音符を同じピアノで鳴らしたとしても、二つとして同じ演奏はありません。それは、その人その人で楽曲に対する考えや音のイメージが様々で、ピアノを弾く体の状態、手、指の質も様々だからです。

大作曲家の言葉に『音楽を演奏するときは、楽譜に書いてあることを全て忠実に守って弾きなさい。全て楽譜通りに弾いても、決して同じ演奏にはなりません。規則を全て守った上でそれぞれに出てくる演奏の違い...それが個性です。』という言葉があります。

まずは基本的な技術と知識を身につけて、真正面から誠実に楽曲と向き合っていくことが大切なのだと感じます。学習していくうえで分からないことや今の自分に出来ないことがあったら、それを克服するために人に助言を求めたり、文献を読んだり、調べたりするでしょう。その過程で身についた能力や知識が、その人だけが持っている素敵な個性につながっていくのではないでしょうか。

みなさんもピアノを学びながら自分の個性を養い、自分の音楽を表現していきませんか?